Q.「若きウェルテルの恋」は、何回も再演されていますが、この作品に韓国人が引かれる理由は何だと思いますか。

 韓国には、ライセンスミュージカルはたくさんあるのですが、この作品は韓国のオリジナル創作ミュージカルです。オリジナルミュージカルの中でも、このように長い間支持されてきたのには、ドラマ性、音楽性が素晴らしいからだと思います。

Q.過去「若きウェルテルの恋」はご覧になりましたか。

 一度も見たことがないんです。

Q.原作は読んだことがありますか。

 はい、あります。小説は、読む人によってかなり違った印象を持つと思います。この小説は、愛の痛みを経験済みの方が読むと、非常に憂鬱な気持ちになると思います。しかし、小説の内容には面白い部分もあるので、人によってかなり違うと思います。

Q.日本に行くことになり、どういう気持ちですか。

 日本ではこの作品があまり認知度がないのかも?と、心配だったのですが、先ほど、記者の方が日本の方が高校生などが読む作品だとおっしゃっていたので、日本でも作品が受け入れられているとわかって安心しました。小説は敷居が高い部分がありますが、ミュージカルはもっと受け入れやすいものだと思うので、日本の皆様に共感していただけるのではないかと思います。

Q.もともと声楽家のドンソクさんにとって、ミュージカルはどんな存在?

 終わりなき芸術です。歌だけでなく、演技も同時にやらなければならない。そういった深い、終わりのない芸術をやっている最中だと思っています。

Q.ミュージカルのどんな点が好きですか。

 僕はもともと歌を志していたので、ミュージカルで歌を生かそうと思っていたのですが、最近は演技に非常に関心を持っています。演技と歌を両方できる点がミュージカルの素晴らしさです。オペラは敷居が高いものが多いですが、ミュージカルは接近しやすい芸術だと思います。

Q.歌が上手でビジュアル的にもアイドル歌手にもなれると思いますが、クラシックを選んだ理由は?

 (笑)歌手になりたいとは思ってみたこともありませんでした。クラシックを専攻したのは、教会の合唱団の先生の影響です。だから今もクラシックを中心に聴きます。そういったお話を頂ければ幸運ですが、普段からあまりK-POPや歌謡曲は聴かないです。

Q.声楽ではどのパートですか?

 ハイバリトンです。

Q.どんな曲が好きですか。

 幼いときはベルディが好きだったんですが、大人になってからはモーツアルトです。

Q.「ウェルテルの恋」を演じる上でどんな点が大事だと思っていますか。

 「ウェルテルの恋」をやっていると、初恋を思い出すことが多かったです。そのときの気持ちを生かしてやっていきたいと思っています。中でも僕がみなさんに一番伝えたいことがあります。この作品では、主人公は最後に亡くなります。カップルの方も見にいらっしゃると思うのですが、隣にいる恋人だったり、隣にいる身近な方が、どんなに自分にとって大切かを感じていただいて、劇場を後にしていただきたいと思っています。

Q.ドンソクさんの初恋は悲しい初恋だったのですか。

 ええ、悲しい思い出です。なぜなら6年間片思いしていました。だから、ウェルテルとすごく似たようなことをした経験もあります。

 

Q.具体的にどんなことをしたのですか。

 相手からの絶対的な愛を受けたいという欲求がありました。具体的に話すのは難しいのですが、利己的な思いというか。そういった愛を求めていた初恋だったなと思います。

Q.いつごろの話ですか?

 高校2年生から軍隊に行く直前です。台本を読みながら、すごい自分と似てるなぁと思ったところがありました。その経験があったので、ウェルテルというキャラクターに対して理解ができました。

Q.どのシーンが一番好きですか。

 みんないいシーンなので集中して見てほしいのですが、中でも僕が好きなのは、開演時に流れる序曲(オーバーチュア)です。ウェルテルの幸せなとき、悲しいとき、すべてを表現しています。

Q.ミュージカル界のカン・ドンウォンと呼ばれていることに関してどう思っていますか。

 (笑)前から聞くことはあったのですが、すごく恐縮しています。いいのかな?と思ってます。

Q.拝見していると王子様っぽい雰囲気なのですが。昔から、周りの人とはちょっと違うね、と言われてきましたか?

 最近1年ほど、ずっと王子の役を演じているので、無意識にそうなってしまたのかなと思います。

Q.日本のファンの方とも交流があると伺っていますが。

 日本のファンの方々は、韓国のファンと違って、少し慎重だと思います。韓国人のように近寄ってくるのではなく、遠くから見守ってくれるといか。最初は不思議でしたが、そのようにしてくださると、自分が宝物になったような気分にしてくれます。

Q.今後、どんな役柄を演じたいですか。

 やりたい役はいっぱいあるのですが、最近、王子のイメージがついているので、そういったイメージの脱却できるキャラクターがやりたいと思います。

Q.ドラマや映画にも出る予定はありますか。

 ミュージカルとは、ドラマも映画も、演技の表現部分がかなり違うんですね。なので、ぜひ挑戦してみたいと思っています。

Q.ダブルキャストのもう一人の主役キム・ダヒョンさんはどんな方ですか。

 とても男性的な方です。2003年にウェルテルの役を一度やっているので、今度はそれとまた違った面を見せようと努力していてすごいなと思います。また、ダヒョン兄さんは、ミュージカル出演経験がたくさんあるので、つかみが早いなと思います。セットと俳優が一緒になったときの動きのつかみが早いとか。すごいです。

 

Q.日本でやってみたいことは?

 心の底から日本の寿司が食べてみたいです。韓国とどのくらい違うのか。日本の寿司はすごくおいしいと聞いているので。

Q.日本は初めてですか?

 そうなんです。

Q.これまでもミュージカル作品はたくさん日本にきていますが、今回の作品はどう違うと思いますか。

 いい作品がたくさん行ったのですが、僕が行くので、クオリティーが高いぞといえると思います(笑)。

Q.自己管理やストレス解消法は?

 ここ1年、「エリザベート」「二都物語」「ウェルテルの恋」と、ちょっとずつ重なって1年ずっと稽古し続けていたという感じがします。ストレスがたまったら、より悲しいことをしたりつらいことで解消するというのをウェルテルに教えてもらったと思います(笑)。

Q.尊敬している先輩は?

 リュ・ジョンハン先輩です。一番あこがれの先輩です。そんなこと言ったら他の先輩が残念がるかもしれませんが(笑)。

Q.どんなところが?

 リュ・ジョンハン先輩は、守り続けているところです。守るというのは難しいことだと思うんです。スター性や理念とか意志とか。

Q.今は仕事ばかりですが、休みができたら何をしたいですか。

 運動したいです。あと、ゲームが好きなのでゲームもしたいです。スター・クラフトという韓国で人気のコンピューターゲームがあるんですが、僕はすっごいうまいです。もし時間があれば、日本でも、たくさん歩き回ってみたいです。

Q.今後の予定は?

 2012年末に日本でコンサートする予定です。シアタークリエの5周年の記念公演のコンサートに出させていただくことになりました。ほかの日本のミュージカル俳優の方にも興味あるし、楽しみです。

 

 

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