FEATURE & INTERVIEW 特集・インタビュー

「宮」「イタキス」のファン・インレ監督、オトナの恋を描いた新作がDVDに

2013年11月3日

ファン・インレ監督
photo:Inoue Ryoichi

 「宮~Love in Palace」や「イタズラなKiss~Playful Kiss」の演出家として知られるファン・インレ監督。ラブコメディーの印象が強いが、実はドキュメンタリーやミュージカル、オペラまでジャンルを問わず活躍する数少ない演出家の一人だ。そんな監督にとって、中年の男女の愛と友情、葛藤を描いた「ラブ・アゲイン症候群」は新たな挑戦の一つだったようだ。ドラマのDVD発売を記念して来日したファン・インレ監督に話を聞いた。

Q.来日はいつ以来ですか。

 日本にはプライベートでもよく遊びに来ています。でも東京は4年ぶりですね。以前はドラマ作品の買い付けでよく来ていました。

Q.今回の「ラブ・アゲイン症候群」は日本のドラマ「同窓会~ラブ・アゲイン症候群」が原作ですが、どういうところに引かれたのですか。

 日本のドラマは台本がとてもしっかりしていて、表現も繊細なので、日本で好評だった作品を韓国に持ってくるのは、制作側としてはいろいろと安心です。韓国ドラマは日本より話数が多いので、制作に当たってどうしてもプレッシャーを感じます。なので、すでに日本で検証済みの作品に、より魅力を感じるんです。

Q.これまでは「宮」や「イタズラなKiss」など、若い世代の恋愛を描いた作品が主でしたが、中年のラブストーリーを演出したいと思ったきっかけは?

 この作品は韓国のある制作会社から薦められて見たんですが、見ているうちにはまってしまいました。僕自身もちょうど中年の話を描いてみたいなと思っていたときなので、演出を引き受けることになりました。

Q.日本版との違いは?

 僕は個人的に、原作が持つ面白さはなるべく生かしたいと思いました。日本も韓国も青春時代を懐かしく思うことは同じなので、わざわざ原作との違いを強調しようとは思いませんでした。その中で一番大変だったのは、韓国だとドラマが長くなるということ。原作では、ある同級生の失踪から彼が戻ってくるまでのストーリーがテンポよく描かれますが、それを2倍近い分量に伸ばすことに、僕も脚本家も苦労しました。そこで、中学生時代のエピソードをより繊細に描いて、ノスタルジーを感じさせる演出を心掛けました。

Q.ミュージカル俳優として活躍しているリュ・ジョンハンさんがドラマに初主演されたことでも話題になりましたが、キャスティングの理由は?

 実は当初から男性主人公のキャスティングが難航しました。一度ある中堅俳優のキャスティングが駄目になった後、新人を使おうということになったんですが、若手でもない中年の新人を見つけることは、なかなか思い通りにはいきませんでした。そんな中、僕が数年間審査委員をやっていたミュージカル関連の授賞式でよく見掛けていたリュ・ジョンハンを思い出したんです。彼が出演していた舞台も多数見ていて、主人公としてのカリスマ性を持った新しい顔という僕の理想にぴったり合っていたので、キャスティングすることになりました。

Q.演技に対する心配はありませんでしたか。

 正直、最初は少し大変でしたね。ジョンハンはカメラの前で演技をしたことがないので、彼自身、舞台俳優ならではの大げさな演技を控えようと考え過ぎたあまり、ぎこちない表現になってしまう場面が度々ありました。でもヒロインのキム・ジスさんを含め、周りの俳優たちが彼に配慮して合わせていくうちに、良くなっていきました。それに、テジン役のチェ・チョルホとジョンハンは実際にも小学校の同級生だったそうで、2人の絆といいますか、そういったものが大きく影響したと思います。

Q.今回の作品を通じて、監督自身が最も伝えたかったメッセージとは?

 実は僕、ドラマのタイトルを「花たちの時間」にしたいと思っていました。咲いた花はとてもきれいですが、10日くらいで全部散ってしまいます。中年は、その美しいもののはかなさを理解している年代です。本作の主人公たちは、自分たちの愛が決してハッピーエンドにはならないと分かっているにもかかわらず、その愛に身を預けてしまいます。そんな彼らを通じて、この世で頼れるものはただ一つ、結局愛しかないということを一番伝えたかったのです。

Q.30年近いキャリアの中でさまざまな分野に挑戦し、ご自身の活動範囲を広げていらっしゃいますが、その原動力は?

 やったことがないものに挑戦するのが楽しいんです。何をやるにも自分自身が楽しんでいることが一番大切だと思います。

ファン・インレ監督
photo:Inoue Ryoichi

Q.監督の作品に出演したチュ・ジフンさん、John-Hoonさん、キム・ヒョンジュンさんは現在、韓流スターとして大活躍していますが、新人発掘のポイントは?

 最初から「この人はスターになる」と確信したことはありません。描いていくべきキャラクターに一番ふさわしいイメージの人を見つける中で、他の監督の作品によって作られたイメージを持つ俳優よりは、まだ磨かれていない人を見つけだすことにやりがいを感じるだけです。今はもうみんなが僕の息子のようです(笑)。

Q.チュ・ジフンさんとのエピソードは?

 そういえば、「宮」の撮影中、彼が帰り道に凍った地面で滑って手首を骨折したことがありました。もちろんその次の日も撮影だったので、ギプスをすることになった彼の撮影分はキャンセルになったのですが、けがの具合が心配になって彼を呼び出しました。でもなぜかジフンは、「僕はこのドラマから降ろされる」と思ったそうです。それで、緊張のあまり精神安定剤を飲んできたと言っていました。それを聞いた僕の方が驚きましたが(笑)。いつかまた、一緒にお酒でも飲みながら当時のことを語りたいですね。

Q.日本ファンの中では「宮2」を期待する声もたくさん上がっていますが、次回作のご予定は?

 制作会社の代表が、「宮2」のアイデア会議を行ったりして、少しずつ動いているのは確かです。「宮」の出演俳優たちがまた出演してくれるかどうかが一番重要ですが、僕にとっても「宮」はターニングポイントとなった作品なので、可能ならぜひやってみたいです。今は来年の放送を目標に、2作品を並行して準備中です。一つは原作のあるもので、もう一つはオリジナルの作品なのですが、どれを先にやるかはまだ決まっていません。楽しみに待っていてくださいね。

撮影◎井上良一

 

PROFILE
1954年12月28日大邸(テグ)生まれ。チュ・ジフン、ユン・ウネ、John-Hoonを輩出した「宮~Love in Palace」、チョン・イル主演「美賊イルジメ伝」、キム・ヒョンジュン主演「イタズラなKiss~Playful Kiss」などの演出を手掛ける。「ラブ・アゲイン症候群」では、中年男女のロマンスを美しく描き好評を得る。現在ドラマ制作会社roiworksのCEO兼監督。

 

 

「ラブ・アゲイン症候群」
DVD-BOX1&2
発売中 各15,960円(税込)
発売元 テレビ朝日/ポニーキャニオン
販売元 ポニーキャニオン
(C)JTBC Co., Ltd all rights reserved


コメント

FEATURE & INTERVIEW 特集・インタビュー

2016年大活躍の予感! 次世代モンスターグループ“iKON”ロングインタビュー <後編>

2016年大活躍の予感! 次世代モンスターグループ“iKON”ロングインタビュー <後編>

インタビュー2016年3月5日

 日本デビューアルバム『WELCOME BACK』(1/13発売)がオリコンデイリーランキングで1位を記録したiKON(アイコン)。早くも3月30日には、新曲を収録した豪華盤『WELCOME BACK -COMPLETE EDITION-』の発売が決定した。デビ・・・続きを読む

2016年大活躍の予感! 次世代モンスターグループ“iKON”ロングインタビュー <前編>

2016年大活躍の予感! 次世代モンスターグループ“iKON”ロングインタビュー <前編>

インタビュー2016年3月4日

 日本デビューアルバム『WELCOME BACK』(1/13発売)がオリコンデイリーランキングで1位を記録したiKON(アイコン)。早くも3月30日には、新曲を収録した豪華盤『WELCOME BACK -COMPLETE EDITION-』の発売が決定した。デ・・・続きを読む

Photo:Michi ISHIJIMA

Block B(ブロックビー)、日本デビュー後初のホールツアー! Block B JAPAN LIVE TOUR 2016~SHOWDOWN ‘H’~

特 集2016年1月14日

 2015年1月に日本デビューしたBlock Bが、16年1月9日から東京と大阪でホールライブを開催!  取材をした10日の会場、東京ドームシティは、アリーナから3階まで満席。客席とステージが近いホールならではの高揚感があって・・・続きを読む

BEE SHUFFLEのジュノとギュミン

連載「BEE SHUFFLEのシャッフル・デート!」番外編 最終回

インタビュー2015年12月4日

『もっと知りたい!韓国TVドラマ』の連載企画「BEE SHUFFLEのシャッフル・デート!」。日韓混合の“原宿発崖っぷちボーイズグループ”BEE SHUFFLE(ビーシャッフル)の5人が繰り広げる妄想デート企画が、『もっ韓』69号で最終回・・・続きを読む

チャン・グンソク、TEAM Hのハロウィーンパーティーで仮装姿を披露

チャン・グンソク、TEAM Hのハロウィーンパーティーで仮装姿を披露

特 集2015年11月5日

 チャン・グンソクが自身の音楽ユニット“TEAM H”として久々の来日公演を開催、“2015 TEAM H HALLOWEEN PARTY”と題し、ハロウィーンで盛り上がる日本で2都市4公演を行った。ハロウィーン当日である10月31日のライブでは、冒頭・・・続きを読む

more
page top