FEATURE & INTERVIEW 特集・インタビュー

「メイクイーン/MAY QUEEN」キム・ジェウォン、ヒット作へ込めた思い

2013年6月12日

 度重なる試練を乗り越え、真っしぐらに夢を追う感動のサクセス・ラブストーリー「メイクイーン/MAY QUEEN」。野望、裏切り、復讐(ふくしゅう)、そして初恋。韓国ドラマの魅力がぎっしり詰まった王道ドラマだ。「私の心が聞こえる?」以来のドラマ復帰となったキム・ジェウォンに、本作への思いを聞いた。

Q.カン・サンを演じるに当たり、どのような役作りをしましたか?

 カン・サンは“フォトメモリー”といわれるほど、一度見たものは必ず記憶してしまう天才的な頭脳を持つ人物です。なので役作りのために、天才といわれた人たちについて書かれた本を読んで研究しました。カン・サンは、“船を造る”というヒロイン、ヘジュ(ハン・ジヘ)の夢をかなえるためにサポートする役割でしたが、ドラマの重たい雰囲気を和らげる、愉快なキャラクターでもありました。なので、ちょっとおどけたような楽しいキャラクターにすることにポイントを置きました。せりふを自分なりに変えてみたり、脚色したりした部分もありました。

Q.具体的に、どのような変化があったのですか。

 これまで演じてきたキャラクターと比べて、演技的なアプローチ方法が少し違っていました。この作品は「私の心が聞こえる?」以来の出演作だったのですが、ご存じのように「私も花!」という作品を準備しているとき、事故に遭って降板することになり…。そういう経緯があったので、演技に対してこれまでとは違ったアプローチをした部分もあります。実を言うと、これまではあまり余裕がありませんでした。撮影中はいつも時間との闘いで。でも今回は僕自身に少し余裕があったので、より多くの時間をかけて役を研究することができたんです。役作りに十分な時間をかけられたので、その分、自分自身もそうだし、視聴者の皆さんの満足度も高くなり、ドラマ全体のクオリティーも高くなった。時間の投資はクオリティーにつながると実感した作品でした。

Q.このドラマを通して得た新しい体験は?

 何より船の監察官というサンの職業そのものが新鮮でした。造船所、船舶、ヨット生活などなど、プライベートではなかなか味わえない経験が多くありましたから。釜山での長期撮影もそうです。個人的にいい思い出ばかりでした。 それに、人と人との交流にはいつも新鮮な経験がたくさん得られます。例えば同じ素材でドラマを撮るとしても、作品ごとに監督や脚本家、スタッフ、共演者も違うので人対人の化学反応は違ってきますよね。だから、人と人との交流という意味で、この作品でも新しい経験がありました。

Q.カン・サンを演じたことで、新しい自分を発見できたようですね。

 サンは“天才”タイプなんです。僕自身は天才ではないけれど、天才に関する本を読みながら、思っていたより自分の頭は鈍くなかったんだな、マヌケではなかったんだなと思いました。普段の日常生活では気付かなかった、隠されていた自分自身を発見したり…。それと、サンを演じていて考えたことがあります。努力についてです。楽器でも歌でも勉強でも同じですが、時間を投資すればするほど、すてきな姿やカッコいい姿を見せることができますよね。普通の人ならたくさんの時間をかけなければできないけれど、天才なら少しの時間でできてしまう。だからといって、努力しなくていいというわけじゃない。努力のない天才はいないと思います。天才がその才能を認められること、頂上に立つことは簡単なことかもしれないけど、頂上に立った後、その座を守るのは容易なことじゃない。次々と新しい人が頂上を目指して登ってくるだろうし。山を登っている時は無我夢中で周りも見えないでしょうが、頂上にたどり着くと周りが見えてきて、そこから下りる恐怖も生まれます。そこで自分に足りないものは何か、どんな努力が必要かが見えてきます。サンは努力する天才でした。なのでサンを演じながら、俳優キム・ジェウォンとして感じることがいろいろありました。今はまだ、俳優としてトップの座に立ったわけではないですが、10年ほど演技をしてきてある程度の位置には来たと思います。その位置から落ちることなく、一方で視聴者の方に距離を感じさせることなく、ステップ・バイ・ステップで少しずつ上っていくことは容易ではないな、努力し続けることが大事なんだと思いました。

Q.サンの恋物語は、とても不利な状況からスタートします。序盤の片思いを演じていた時の気持ちは?

 サンのヘジュに対する感情は、僕個人の考えでいうと、ちょっとあり得ないと思いました。彼は訳あってアメリカに渡り、ヘジュと離れ離れになってしまいます。でも彼は、ずっと彼女を思い続けるんです。1人で15年間も片思いをしている…。そしていざヘジュと再会したら、彼女はチャンヒ(ジェヒ)と15年間付き合っていたんです。チャンヒはサンの友達ですよ! 自分なら、絶対その関係に割って入ったりしないと思う。2人が付き合っていたのは、1カ月とか1年とかの時間ではなく15年です! いわば夫婦ほどの長い付き合いです。ですからそれでもヘジュを思い続けたサンは、ちょっと問題を抱えた人物だなと思いました。どれほど愛情が不足していたんだろうかと。幼いころに両親を亡くしたサンは、母親のような存在を知らぬ間に求めていたんじゃないかと思いました。なので、サンはヘジュを手放すわけにはいかなかった。サンは祖父によって父性的な愛情はある程度満たされていたかもしれませんが、母親からの愛は得られなかったんです。父や祖父といった男同士の接し方と、男女が接するときの愛の方式は違うものですよね。そんなふうに偏った愛を受けていたので、足りない愛を渇望していたんでしょう。それで、幼いころに出会い、母性愛のようなものを感じたヘジュを、いちずに思い続けたのだと思います。サンの亡くなった母親も溶接作業員をしていたので、そういう点でも、サンはヘジュに母親のような愛を求めたのかもしれません。15年間の“狂った愛”だと感じましたが、それは、ヘジュに対する憐憫や、母性愛を求める思いが強かったからだと思います。なので、サンというキャラクターには胸が痛みますね…。

 
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