FEATURE & INTERVIEW 特集・インタビュー

『危険な関係』ホ・ジノ監督が絶賛、「チャン・ドンゴンには驚いた、彼は天才だ」

2012年10月17日

『危険な関係』ホ・ジノ監督 (c)マネートゥデー=共同

 『危険な関係』は、18世紀にフランスで書かれた世界的に有名小説だ。恋愛などゲームのようなものだと思っている男と、社交界に君臨する女が、男がある淑女を誘惑できるかのをする。最初は軽い気持ちでゲームに乗りだした男は、淑女を本当に愛してしまい、ゲームを提案した女は、男への自分の気持ちに初めて気付く。そして3人の男女は破局を迎える…。

 この興味深い恋愛物語は幾度も映画化され、韓国でもペ・ヨンジュン主演の映画『スキャンダル』の題材となり、大きな成功を収めた。ペ・ヨンジュンの次にこの男を演じるのは、チャン・ドンゴン。その演出を手掛けたのがホ・ジノ監督である。

 彼らの作り上げる映画『危険な関係』の舞台は、1930年代の上海。強烈なストーリーは相変わらずだが雰囲気はだいぶ違う。今回はホ・ジノ監督にその独特な世界について聞いてみた。

Q.『危険な関係』は、今まで何度も映画化されています。演出を決めた理由は?

 最初はためらいもありました。もうすでに韓国でも映画化されている内容なので…。でも、1930年代の上海が舞台ということで興味が湧いたんです。原作を読んでみたらとにかく面白かったというのもありますね。フランス革命直前の小説ですが、恋愛の教科書にもなったらしいです。

Q.『スキャンダル』を演出したイ・ジェヨン監督に何か相談したりしましたか。

 この作品についていろいろと話をしました。「何で僕を誘ってくれなかったの?」って言われましたね(笑)。どの部分を生かして、どの部分を変えていけばいいのかについて聞きました。まず時代を変えたことで自然と違いが出てくるはずだから、と言われました。

Q.今回の作品は、今までのホ監督の作品とは少し違う気がします。

 原作を基に演出したのは初めてなんです。時代物だし、しかも中国での撮影だし。だから以前とは違うやり方でやってみようというのはありましたね。あと、以前に比べてクローズアップを使った回数がだいぶ増えました。俳優の皆さんがみんなクオリティーの高い姿を見せてくれているので。目いっぱいズームして近寄ることも可能だし、心理描写がそのまま顔に表れるので、やはりそこは大切にしたいと思いました。

Q.だからいつも、美男美女ばかりキャスティングされているんですかね(笑)。

 そうかもしれません。やっぱり美しいっていいですね(笑)。

Q.主演のチャン・ドンゴンさんを「天才」と評価されたそうですが、演出家としてチャン・ドンゴンさんの演技はどうでしたか。

 チャン・ドンゴンという俳優には本当に驚きました。天才です、彼は。中国語はやっぱり声調があるので覚えるのが本当に大変じゃないですか。しかも僕が現場で直前にセリフを変えることも多々あったんです。徹夜で覚えてきてくれているのに、現場で覚え直さなければいけない状況でも、全部やりこなしてくれたんです。普通に考えたら不可能なことですよね。もう仰天番組とかに出したいぐらい(笑)。共演のチャン・ツィイーさんらもチャン・ドンゴンさんの中国語が自然で、感情も入りやすかったと言っていました。

Q.チャン・ドンゴンさんは、ベッドシーンが初めてだったそうですね。

 映画の撮影がドラマの「紳士の品格」よりも前に行われたので、キスシーンさえあまりやったことがなかったようですね。「僕そういうのはやったことないんです」って本人も不思議そうにしていました。でも今まで男らしい役ばかりやってきたことを、今回は恋愛関係においてうまく活用できていると思います。「男らしさ」がうまく溶け込んでいるというか…。チャン・ツィイーさんがやって来るシーンでは、現場で拍手が起きました。髪の毛を整えてドアを開け、全て計算済みであるかのような笑顔で彼女をハグしたかと思うと、一変して別れを告げる。そして帰っていく彼女の姿を眺めるシーンがあるのですが、その怒りのまなざしはとにかく強烈ですね。自分に向けた怒りなんでしょうけど、僕の一番好きなシーンでもあります。瞬間的に複雑な状況を映し出す目力や顔つきが本当に素晴らしかったですね。

Q.意図していないものが画面に映し出されることもありますよね。そういうときはどんなお気持ちですか。

 想像していなかったものが急に出てきたりすると、やっぱり楽しいですね。この映画の中にも、チャン・ドンゴンさんが手紙を破り捨て、目に涙を浮かべた瞬間、急にほほ笑んでみせるシーンがあるのですが、あれはドンゴンさんのアドリブなんです。僕は最初は「あれ、笑っちゃいけないんじゃないの?」って言っていたんですけど、見ているうちに徐々に、雰囲気もちゃんと出ているし、とても面白い演出かなと思えてきたんです。チャン・ドンゴンという俳優もやっぱり「やり手」だと感じました。キャラクターを自由自在に取り扱う本物のやり手の俳優なんだなーって。チャン・ドンゴンさんは、人間性も素晴らしいんです。努力家ですし。以前はただ単に一生懸命芝居をする俳優という印象があったのですが、最近は“生まれいての才能を持っている俳優”という印象の方が強くなってきましたね。今も十分素晴らしい俳優さんですけど、今後さらにすごい俳優として成長していくと思います。

Q.ユ・ジテさん、イ・ヨンエさん、チョン・ウソンさんに至るまで、俳優の知られていなかった魅力を引き出す力が、ホ監督にはあると思います。最初から隠れた魅力を引き出そうとキャスティングをされているのですか。それとも撮影を重ねるうちに見えてくるのでしょうか。

 両方ありますね。もともとその俳優が持っている「イメージ」ってあるじゃないですか。それをわざと壊したいわけではないけれど、でも撮影しているうちに壊してしまうこともあるんです。本人にも「こうしてください」ではなくて「こういうときはどうだろう」と意見を聞くこともよくありますね。もちろん監督のディレクションによって作られる表情が必要なときもありますが、役に成り切った俳優から自然に出てくる表情というのが、一番面白いんです。計算されていない自然な表情が一番ですね。

(マネートゥデー、キム・ヒョンロク)


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