FEATURE & INTERVIEW 特集・インタビュー

ユン・ソクホ監督「『ラブレイン』は、“愛”と“雨”を結び付けて感性に訴え掛けるドラマ」

2012年8月6日

「冬のソナタ」の監督として、日本でも有名なユン・ソクホ監督。彼が10年ぶりに手掛けたのは、北海道の雪景色を背景に、1970年代と現代を交差する“運命の愛”を描いたクラシカルなラブストーリー。アジア中で人気のチャン・グンソクと少女時代のユナを主役に抜てきし、監督が求める自然愛、家族愛、中年の愛やアナログな恋愛、デジタルな恋愛の全てを巧みに取り入れた、最新作「ラブレイン」について、話を聞いた。

(C)YOON’S COLOR

雨のイメージは恋愛に似ている

Q.「ラブレイン」はどのような作品ですか?

人によって雨のイメージは違いますが、私はしっとりとしたイメージを持っています。雨は乾燥した心に潤いを与えて、気持ちをしっとりと落ち着かせてくれる。そんなイメージがあるので “愛”と“雨”を結び付けて感性に訴え掛ける。そういうドラマです。

Q.今回、冬の北海道をロケ地に選んだ理由を教えてください。

作家やアーティストと呼ばれる人は、自分が吸収したものを表現したくなるものです。これまでに日本各地を回りましたが、特に北海道には何度も来たことがありました。春夏秋冬すべての季節において本能的に美しい場所を探し求めていたのです。そして、その景色をドラマで使ってみたいと、ずっと前から考えていました。なかなか実現できなかったその夢を今度こそ実現させようと思い、私が旅行で多くのことを吸収した北海道の富良野や小樽などをロケ地に選びました。

Q.なぜ、冬だったのですか?

他の季節も好きですが、今回は春に放送されるドラマなので、スケジュールの都合により冬に撮影することになりました。雪が降り積もる中での撮影でした。韓国に比べて雪解けが遅いんですよね。雪がたくさん降ってくれたおかげで雪景色の映像を、とてもロマンチックなイメージで美しく収めることができました。それと「ラブレイン」だけのオリジナルの言葉を作り出しました。 “ダイヤモンドダスト”という言葉がありますが、撮影するのは非常に難しそうだったので“ダイヤモンドスノー(日ざしに透けて見える雪)”を考えました。「ダイヤモンドスノーが恋人たちの愛をかなえる」という仮説をつくって、ロマンチックに演出しています。富良野地域の雪景色がダイヤモンドスノーのシーンにぴったりなので、ぜひ、その辺りにも注目して見ていただけたらと思います。

Q.実際に撮影しているときの印象はいかがでしたか?

韓国の視聴者のことを考えながら撮影しました。日本の方は北海道のことをよくご存知でしょう。韓国の視聴者は、一面雪景色のあの美しい風景を見たことがないと思ったので、韓国の視聴者の皆さんにとっては、とても興味深いシーンだと思います。

Q.ところで、倉本聰さんと交流があると伺いましたが?

私がまだアシスタントディレクターだったころに、日本留学経験のある先輩がいたんです。その先輩から日本のドラマなどの話を聞いたり、「北の国から」を見せてもらったりしていました。とても美しい風景に感動して強く印象に残りました。自然に対する愛、家族に対する愛など、深い人間考察のもとに描かれていて、品のある素晴らしいドラマだと思いました。私はNHK札幌の番組に出演したことがあるんです。なぜ出演することになったのかよく分かりませんが、誰かが取り持ってくれたのでしょう。倉本先生にお会いできる機会に恵まれたのです。それ以前に、日本の新聞か何かのインタビュー取材で、印象深かった日本のドラマを聞かれて「北の国から」と答えたのを、倉本先生がご存知で、僕を招待してくれたのだと思います。そのときに一度お会いして、その後も何度かお会いする機会があり、先生が演出した演劇を見に行ったこともあります。今回の「ラブレイン」の撮影前にもお会いしてお話をしました。先生の作品には、深みがあって・・・、私がとても尊敬している演出家なのです。今も交流が続いています。

Q.影響を受けた部分はありますか?

やはり自然を愛するところでしょうか。私も自然を愛していますが、「やっぱり自然を愛するドラマが好きだ」と、「北の国から」を見て再確認した気がします。四季シリーズにも自然への愛が込められています。

Q.四季シリーズ「冬のソナタ」が日本で大ヒットしましたが、今作で日本の観客を意識した部分はありますか?

特に意識はしていません。「冬のソナタ」も日本を意識したのではなく、自分のスタイルで作った作品ですし「夏の香り」も、もちろんそうです。「秋の童話」が東南アジアでヒットして、そのときに気付いたのです。自分の好きなように作れば喜んでくれる人がいる、と。「冬のソナタ」は日本の方に好まれる特性があったのだと思います。甘酸っぱくロマンチックな部分など、人間が持っている前向きな“愛”の要素がたくさん詰まったドラマですから、例えば悲しみにしても、徹底した悲しさだけでなく、“美しい悲しみ”というか、そうした感性を刺激するドラマだと思います。「夏の香り」も韓国よりも日本での方が高評価を頂きました。

そこで思ったのですが、日本の方に合わせて意図的に作らなくても、私が追求する作品の世界観が日本の方の感性に恐らくぴったりと当てはまるのでしょう。私はそう思っています。今作も特に日本の方を意識してはいませんがこれまでのドラマにもあったような私の好きな要素が詰まっています。「冬のソナタ」のような一人二役や「夏の香り」に近い主人公の職業設定、兄妹の愛は「秋の童話」の要素ですし、他には中年の愛もあります。私の好きな要素がたくさん入っているので、そこに共感してくれて、「冬のソナタ」や他のドラマを気に入ってくださった日本の方なら、私が無理に努力をしなくても喜んでいただけるはずだと確信しています。

韓国ドラマは、事件が中心で展開が速く、パワフルな部分もありますが、すべてがそうではありません。私の作品はソフトで女性的な要素も含まれていて、いわゆる韓国ドラマとは違う特性を持っています。そんな特性を日本の視聴者やファンの方々が気に入ってくれたのだと思っています。「ラブレイン」では私の表現したかった要素がすべてストーリーに入っています。私にとっては非常にうれしく興味深いことです。普通全てを取り入れるのは難しいことなのですが、脚本家と相談しながら日本での撮影もできましたし、中年の愛やアナログな恋愛、デジタルな恋愛など、職業の設定など、さまざまな面で私が描きたかったことがすべて複合的に入っているのです。非常に意味のある仕事ができたと思っています。

 
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